よく飲まれているハーブティ

ウスベニアオイ【MALLOW】

花はハーブティとして利用され、お湯を注ぐと透き通った青いお茶になることから、「マロウブルー」と呼ばれている。粘液質を豊富に含み、欧米では昔から風邪による喉の痛みや咳、胃炎や尿道炎などに用いられている。皮膚のトラブルに湿布やパックとしても活用されている。

【学名】
Malva sylvestris

【分類】
アオイ科ゼニアオイ属の多年草

【使用部位】
花部

【主要成分】
粘液質(多糖類)、アントシアニン、タンニン

【生理作用】
皮膚・粘膜の保護、刺激緩和

【適応症状】
口腔・咽喉・胃腸・泌尿器の炎症

 

エキナセア【ECHINACEA】

北米の先住民が、伝染病や毒蛇に咬まれた時などに用いていた。第二次世界大戦後にドイツなどでエキナセアの科学的研究が進み「免疫力を高めるハーブ」として広く知られるようになり、風邪やインフルエンザ、カンジダや尿道炎などの感染症の予防に用いられている。

【学名】
Echinacea angustifolia,Echinacea purpurea,Echinacea pallida

【分類】
キク科

【使用部位】
地上部・根部

【主要成分】
エキナコシド、シナリン、多糖類、イソブチルアミド

【生理作用】
免疫賦活、創傷治癒

【適応症状】
風邪・インフルエンザ、尿道炎・治りにくい傷

 

エルダーフラワー【ELDER】

フラボノイドを豊富に含み、発汗や利尿作用で用いられる。抗アレルギー作用を持ち、カタル症状を鎮めるため、欧米では「インフルエンザの特効薬」と呼ばれ、くしゃみ・鼻水・鼻詰まりといった花粉症の症状に用いられる。英国では「コーディアル」と呼ばれる伝統的な自然飲料として楽しまれている。

【学名】
Sambucus nigra

【和名】
セイヨウニワトコ

【分類】
レンプクソウ科(スイカズラ科)

【使用部位】
花部

【主要成分】
フラボノイド配糖体,(ルチン、クエルシドリン),クロロゲン酸,粘液質 (多糖類),ミネラル (特にカリウム),精油

【生理作用】
発汗・利尿・抗アレルギー

【適応症状】
風邪・インフルエンザ、花粉症

 

ジャーマンカモミール【GERMAN CHAMOMILE】

心身をリラックスさせ、消炎作用を発揮するため、ストレスによる胃炎、胃潰瘍や不眠、婦人科の症状の冷え性や月経痛などにも用いられる。ピーターラビットの童話にも登場し、世界でも親しまれるハーブのひとつ。

【学名】
Matricaria chamomilla,Matricaria recutita

【和名】
カミツレ

【分類】
キク科

【使用部位】
花部

【主要成分】
精油(α-ビザボロール、カマズレン)、マトリシン、フラボノイド(アピゲニン、ルテオリン)

【生理作用】
消炎・鎮静・鎮痙・駆風

【適応症状】
胃炎・胃潰瘍・月経痛・皮膚炎

 

セントジョンズワート【ST.JOHN'S WORT】

夏至の日(聖ヨハネの日)に収穫すると最も治癒力が強いといわれていた。暗く落ち込んだ心に明るさを取り戻すことから「サンシャインサプリメント」と呼ばれる。科学的研究の進歩により、抗鬱に対する効果が確認され、季節性感情障害や更年期の抗鬱などに活用されている。

<注意>
セントジョンズワートは薬物代謝酵素を誘発する為、2000年5月10日に厚生省(当時)がセントジョンズワート含有食品と下記の医薬品との併用に関する注意を促す発表を行った。
[併用に注意が必要な医薬品]
インジナビル(抗HIV薬)、ジゴキシン(強心薬)、シクロスポリン(免疫抑制薬)、テオフィリン(気管支拡張薬)、ワルファリン(血液凝固防止薬)、経口避妊薬

【学名】
Hypericum perforatum

【和名】
セイヨウオトギリソウ

【分類】
オトギリソウ科

【使用部位】
開花時の地上部

【主要成分】
ヒペリシン、フラボノイド配糖体(ヒペロシド、ルチン)、ハイパーフォリン、タンニン、精油

【生理作用】
抗鬱・消炎・鎮痛

【適応症状】
軽度~中等度の鬱、月経前症候群 (PMS)、創傷

 

ダンディライオン【DANDELION】

世界各地の伝統医学で自然薬として用いられてきた歴史があり、日本でも漢方薬の材料として強肝・利尿・暖下・催乳を目的に幅広く活用されてきた。根を軽く焙煎して入れたハーブティは「ノンカフェインのヘルシーコーヒー」として飲まれています。

【学名】
Taraxacum officinale

【和名】
セイヨウタンポポ

【分類】
キク科

【使用部位】
根部

【主要成分】
イヌリン (多糖類)、タラキサステロール、苦味質(タラキサシン)、カフェ酸、ミネラル(カリウム、カルシウム)

【生理作用】
強肝・利尿・暖下・催乳

【適応症状】
肝胆系の不調・便秘、消火不良・リウマチ

 

ネトル【NETTLE】

フラボノイドやクロロフィル、ビタミン、ミネラルを豊富に含むハーブ。花粉症やアトピー等のアレルギー疾患に体質改善の目的で用いられる。ドイツなどでは、春先のアレルギーの予防に、ネトル等のハーブを積極的に接種する「春季療法」が現在でも続けられている。

【学名】
Urtica dioica

【和名】
セイヨウイラクサ

【分類】
イラクサ科

【使用部位】
葉部

【主要成分】
フラボノイド (クエルセチン)、フラボノイド配糖体 (ルチン)、クロロフィル、フィトステロール(β-シトステロールなど)、β-カロチン、葉酸、ミネラル(ケイ素、カルシウム、カリウム、鉄)

【生理作用】
利尿・浄血

【適応症状】
花粉症・アトピー等のアレルギー疾患、痛風・リウマチ

 

ハイビスカス【HIBISCUS】

一般的に「ローゼル」と呼ばれている。クエン酸などの成分がエネルギー代謝を促し、肉体疲労の回復を早める。ビタミンCはあまり含まれていない為、ローズヒップとブレンドすると相乗効果が得られ、風味も向上する。

【学名】
Hibiscus sabdariffa

【分類】
アオイ科

【使用部位】
がく部

【主要成分】
植物酸(クエン酸、リンゴ酸、ハイビスカス酸)、粘液質(多糖類)、アントシアニン色素(ヒビスシン等)、ペクチン、ミネラル (カリウム、鉄)

【生理作用】
代謝促進・消化機能促進、緩下・利尿

【適応症状】
肉体疲労・眼精疲労、便秘・循環不良

 

パッションフラワー【PASSIONFLOWER】

向精神性ハーブに分類されるが、作用が穏やかであるため、安心して使用できる為「植物性のトランキライザー(精神安定剤)」と呼ばれる。
精神的な緊張やそれに伴う頭痛、不眠等を改善し、落ち着きを取り戻す。単独よりも鎮静系のハーブ (ジャーマンカモミールなど)とのブレンドが効果的。

【学名】
Passiflora incarnata

【和名】
チャボトケイソウ

【分類】
トケイソウ科

【使用部位】
地上部の全草

【主要成分】
フラボノイド(アピゲニン)、フラボノイド配糖体(ビテキシン)、アルカロイド(ハルマン、ハルモール)

【生理作用】
中枢性の鎮静・鎮痙

【適応症状】
精神不安・神経症・不眠・高血圧

 

ペパーミント【PEPPERMIMNT】

メントールの香りが眠気を吹き飛ばし、気分をリフレッシュしてくれる。消火器の機能を調整し、食べ過ぎ、飲み過ぎ食欲不振や消火不良、吐き気などの不快な
症状を鎮める。ストレスが元で下痢や便秘、腹痛を繰り返す過敏性腸症候群などの心身症にも用いられる。

【学名】
Mentha piperita

【和名】
セイヨウハッカ

【分類】
シソ科

【使用部位】
葉部

【主要成分】
精油
(ℓ-メントール、メントン、メントフラン)、フラボノイド(アピゲニン、ルテオリン)、タンニン(ロスマリン酸)、カフェ酸、クロロゲン酸

【生理作用】
賦活のち鎮静・鎮痙

【適応症状】
集中力欠如・食欲不振・過敏性腸症候群

 

マテ【MATE】

ビタミンや鉄分、カルシウムなどのミネラルを豊富に含み「飲むサラダ」と呼ばれている。脳の働きを活性化して活力を高め、利尿作用をもたらす。パラグアイ、ブラジル、アルゼンチンの南米3か国に生息するカフェインを含有するハーブ。
西洋のコーヒー、東洋の茶と並んで世界の三大ティーに数えられている。脳の働きを活性化して活力を高め、利尿作用をもたらす。

【学名】
llex paraguayensis

【分類】
モチノキ科

【使用部位】
葉部

【主要成分】
アルカロイド(カフェイン、テオプロミン、テオフィリン)、カフェ酸、クロロゲン酸、フラボノイド、ビタミン(B2、B6、C)、ミネラル(鉄、カルシウム、カリウム等)

【生理作用】
興奮・利尿

【適応症状】
精神疲労・肉体疲労

 

マルベリー【MULBERRY】

デオキシノジリマイシンは二糖類分解酵素であるα-グルコシダーゼの働きを阻害して食後の血糖値の上昇を抑制し、生活習慣病の予防に役立つ。クロロフィル、鉄分、カルシウム、亜鉛等のミネラルを豊富に含む。

【学名】
Morus alba

【和名】
クワ

【分類】
クワ科

【使用部位】
葉部

【主要成分】
デオキシノジリマイシン(DNJ)、γ-アミノ酪酸(GABA)、クロロフィル、フィトステロール(シトステロール)、ミネラル(鉄、カルシウム、亜鉛)

【生理作用】
α-グルコシダーゼ阻害による血糖調整

【適応症状】
高血糖や肥満などの生活習慣病予防

 

リンデン【LINDEN】

甘い香りを漂わせ、心身の緊張を和らげる効果があり、質の高い睡眠をもたらす。

【学名】
Tilia europaea

【和名】
セイヨウボタイジュ

【分類】
アオイ科 (シナノキ科)

【使用部位】
花部 (苞)・葉部

【主要成分】
フラボノイド配糖体(ルチン、ヒペロシド、ティリロシド)、アラビノガラクタン(粘液質)、タンニン、カフェ酸、クロロゲン酸

【生理作用】
発汗・利尿・鎮静

【適応症状】
風邪・上気道カタル・高血圧・不眠

 

ローズヒップ【ROSE HIP】

ビタミンCをレモンの20~40倍含有。外観がラグビーボールに似ている事から「ビタミンCの爆弾」と呼ばれる。感染症や炎症などビタミンCが消耗される時に用いられる。含有するフラボノイドはビタミンCの働きを増強するとともに、緩下作用により便秘を改善し、美容効果を高める。

【学名】
Rosa canina

【分類】
バラ科

【使用部位】
偽果

【主要成分】
ビタミンC、ペクチン、植物酸、カロテノイド(リコペン、β-カロテン)、フラボノイド

【生理作用】
ビタミンC補給・緩下

【適応症状】
ビタミンC消耗時の補給、インフルエンザなどの予防、便秘