中国の電子商取引の転換点

2019年1月1日より中国で、中華人民共和国電子商務法(電子商取引法)が施行された。この法律は、電子商取引に関する法律であり、その対象は個人・法人・非法人組織に関わらず、全ての電子商取引業者に対して適応される。


インターネットなど情報ネットを通じて商品(ニュース情報・音声や映像番組・出版物などの分野は適用外)を販売やサービスを提供する電子商取引活動が対象なので、商品を売る業者だけでなく、売買を仲介するプラットフォーマーも対象であるのが特徴だ。

 

とりわけ最も影響が大きいのは、「代購」ではないだろうか。「代購」とは、出先海外で商品を購入して、自国消費者向けに販売する商法であるが、これが最も大きな打撃を受ける可能性がある。

 

個人取引の場合も、法人と同様に登記の義務が発生し、リスクも法人同様に負わなければならないからだ。

 

例として挙げると、「紙による領収書または電子領収書などを発行し商品販売やサービス提供の証拠を残さなければならず、商品とサービスの情報と取り引き情報は取引成立後3年間以上保存しなければならない」といったものや、「商品輸送中のリスクや責任は、電子商取引経営者が引き受ける(ただし、消費者が別の宅配物流サービスを選択した場合は例外)」といったものがある。

 

様々な要項があるが、個人が「代講」を行うには、ハードルがかなり高くなった。中国人旅行者による「爆買い」は恐らく無くなるだろう。

 

また、プラットフォーマーに対しても様々な要項が設定されている。私が特に気になった項目は、「プラットフォーム内で販売されている商品または提供されるサービスを評価する手段を消費者に提供せねばならず、消費者の評価を削除してはならない」と「商品やサービスの価格をランキングする場合には、「広告」と明記せねばならない 」である。


消費者の評価なんて現在では珍しくはないだろうが、それが義務として明文化されてことに驚いたし、ランキングを「広告」として明記しなければならないという事にも驚かされた。

 

その他にも、宅配便物流のサービス提供者に対しても、「規則に照らして環境保護の包装材を用い、包装材の減量と再利用を実現せねばならない」といった細かい項目なども設定されているのが面白い。


間違いなく、この法律の施行が、中国の電子商取引は大きな転換点となるだろう。その影響は中国のみならず、日本にも影響があるだろう。