「マイナス入札」とは?【日経テスト対策ワード】

「マイナス入札」とは?

落札価格が0円を下回り、逆に、物件・物品の提供側の支出が伴う入札のこと。


土地評価額が建物の解体費を上回るような案件で、自治体が民間に託し再生させる目的で行われることが多い。

 

全国の自治体で最初の案件は、埼玉県深谷市の廃校になった旧市立中瀬小学校の体育館敷地約1500平方メートルで、2018年(平成30年)12月にマイナス入札が実施されました。


旧市立中瀬小学校の体育館は(昭和54年)に建築され、1984年(昭和59年)に小学校が廃校となった後は、地元の体育施設として利用されていましたが、2010年(平成22年)に閉鎖されていました。

 

市は、体育館と敷地を2015年(平成27年)と2017年(平成29年)の2回、一般競争入札で約1780万円の予定価格で売却しようとしましたが、応札者が現れませんでした。

 

落札者が体育館を解体した上、敷地の用途を専用住宅、もしくは共同住宅に限定する制限付き一般競争入札に変更し、入札予定価格をマイナス1340万6000円に設定し入札を行ったところ、二者が応札し、市内の食品加工会社の経営者がマイナス795万円で落札しました。


市は、体育館の敷地の用途を住宅に限定することで、市の人口増と税収増が見込め、専用住宅なら6世帯分の区画が確保でき、10年間の固定資産税と市民税を試算すると、約1700万円の税収増になるとみている。

 

【備考】落札額がマイナスになる場合、契約には議会の議決が必要となります。