「はっと汁」とは?

「はっと汁」「つゆはっと」は、はすいとんの一種で、小麦粉の生地を薄く延ばしてちぎった「はっと」を汁で煮込んだ主に東北地方に伝わる料理です。

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小麦粉に水を加え、耳たぶ程度のかたさになるまでよく練り適当な時間寝かせます。熟成した生地を薄く延ばしながら仕立て汁に入れ茹でます。

「はっと汁」の出汁や具材は、地域や家庭により様々で、野菜やきのこ類、鰹節、煮干し、鶏、豚など家庭によって異なりますが、多くの場合で、油麩もしくは油揚げ具としていれます。

お米を満足に食べられなかった昔は畑に小麦などの雑穀を栽培し飢えをしのいでいました。はじめは米の代用食としてでしたが、より美味しく食べたいと思う人々の願いが、現在の「はっと汁」へと工夫され美味しい料理となりました。

名前の由来の諸説にはいくつかあり、小麦粉料理を好む農民が増え、米の生産を怠ることを憂えた殿様が、ご法度を発令した説や、小麦粉で作った料理「ほうとう」説などがあります。

宮城県の登米町史には、旧暦の七月七日の七夕に「晴れのご馳走」として「はっと」を食したとの記述が残っているそうです。

現在では、12月初旬に、宮城県登米市迫町中江中央公園において、全国のはっとに似た料理が集まる「全国はっとフェスティバル」が開催されています。