「黒部ダム」は、富山県東部の立山町を流れる黒部川水系の黒部川に建設されたアーチ式コンクリートダム(主にコンクリートを主要材料として使用しアーチ止水壁にかかる水圧を両側面の岩盤で支える型式のダム)の貯水量2億トンの水力発電専用のダムです。
第二次世界大戦後の復興期、関西地方は深刻な電力不足により、復興の遅れと慢性的な計画停電が続き、深刻な社会問題の打開策として建設されることになりました。
1956年(昭和31年)に着工し、太田垣士郎指揮のもと171人の殉職者と7年の歳月をかけて、1963年(昭和38年)に完成し、当時の大阪府の電力需要の50%(25万kW)を賄ったことでも知られています。
富山県は北陸電力の事業地域ですが、黒部ダムは関西電力が建設し、発電された電気は関西電力の事業地域に送電されています。
ダム右岸の取水口から山中に掘られた導水路を通って約10キロ下流の地下に建設された黒部川第四発電所(黒四)に送られて、ダムとの545メートルの落差で発電することから黒四ダム(くろよんダム)とも呼ばれています。
建設時におけるスケールの大きさから黒部ダムは、さまざまな形で映像化されてきました。
〇 日本映画新社による記録映像4部作
1957年「黒部峡谷 黒部川第四水力発電所建設記録第1部」
1958年「地底の凱歌 黒部川第四水力発電所建設記録第2部」
1961年「大いなる黒部 黒部川第四水力発電所建設記録第3部」
1963年「くろよん 黒部川第四発電所建設記録」
〇 原作・木本正次1964年「黒部の太陽」、三船プロ・石原プロ製作の熊井啓監督映画
1968年 映画「黒部の太陽」
〇 日本テレビ系列ドラマ
1969年 「黒部の太陽」
〇 NHKドキュメンタリー番組
2001年「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」
〇 フジテレビ系列
2009年フジテレビ開局50周年記念 ドラマ「黒部の太陽」