「池田菊苗(いけだきくなえ)」(1864 - 1936年)は京都生まれの日本の化学者・東京帝国大学理学部化学科(現在の東京大学理学部化学科)の教授で、うま味成分「L-グルタミン酸ナトリウム」の発見者として知られています。
幼少期より昆布のだしに関心を持ち、研究者となってから、湯豆腐のだし汁昆布の研究に着手しました。
1907年に約38 kgの昆布から煮汁をとり、うま味の素であるL-グルタミン酸ナトリウム約30 gを抽出することに成功しました。この時に昆布を煮詰めるために用いられた英国製の大蒸発皿は、当時の貴重な資料として、現在も東京大学大学院理学系研究科研究室にあるそうです。
1908年4月24日には「グルタミン酸を主要成分とする調味料製造法」に関する特許を出願し、3か月後の7月25日に特許登録されました。
池田菊苗から事業経営を請け負った鈴木三郎助氏(当時の鈴木製薬所代表)は,L-グルタミン酸ナトリウムに「味の素」という商品名をつけ,製造販売事業を展開し,現在の味の素株式会社へと発展しています。