「明石焼き」とは?

兵庫県明石市名物のたこ焼きに似た粉物料理で、地元では「玉子焼き」とも呼ばれています。卵、小麦粉、だし汁を混ぜ込んだ生地でタコを包み焼き、お出汁でいただくのが基本です。たこ焼きのルーツになったという説もあります。

f:id:manten3:20200622210224p:plain

明石焼(玉子焼)を商売としてはじめたのは、現在の樽屋町にお住まいであった方だと言われています。当時の明石焼(玉子焼)は1個売りもしており、何もつけず、こんがりと焼いただけのものでした。その後、その場ですぐ食べられるよう、冷ましただし汁につけて食べるようになりました。

江戸時代の末期から明石の重要な産業の一つとして「明石玉」が作られていました。「明石玉」とは、卵の白身を接着剤に硝石などを固めて作られた模造サンゴのことで、かんざしなどの装飾品に使われていました。起源は諸説ありますが、当時、大変人気を得ていた「明石玉」を作る過程で大量に残った卵の黄身と、小麦粉さらに明石でたくさん捕れるタコを入れて作られたものが、明石焼(玉子焼)のはじまりと言われています。

戦前には、作家の椎名麟三や稲垣足穂も明石焼(玉子焼)を食べていたと言われています。

明石焼(玉子焼)の記事には、卵と小麦粉のほかに「じん粉」が使われています。「じん粉」とは、小麦粉のでんぷんを精製したもので、加熱しても硬くなりません。 明石焼(玉子焼)が柔らかで、ふんわり触感になります。