「ふかの湯ざらし」とは、サメの切り身を酢味噌で食べる愛媛県南部の南予地方で冠婚葬祭などで食べられている郷土料理です。ふかは「サメ」のことを指し、関西から四国、九州にかけて、サメのことを「ふか」と呼ぶ地域がたくさんあります。
生きのいいふかの刺身を熱湯にサッと通した後、冷水にさらし、みがらし味噌をつけていただきます。
結びこんにゃく、豆腐、季節の野菜を添えるのが一般的で、淡白な味に、ピリッと辛い味噌がよく調和して南予地方では冠婚葬祭に欠かせない一品です。
南予の海でとれるフカはあまり大きくなく、体長70cmから1メートルくらいです。
もともとは、刺身にも保存食にもならないホシザメを食用にするために考案されました。その昔売り物にならなかったフカを惣菜として酢味噌で和えて酒の肴にしたのが始まりとされています。
サメ自体にアンモニア臭があるため、下ごしらえにかなりの手間を要します。
「ふかの湯ざらし」の下ごしらえ
①頭と内蔵をとり、熱湯につけながらタワシで表面をこすりさめ膚(ウロコ)を取る。
②3枚におろし適当な大きさに切った後、2時間ほど濃い塩水につけアンモニア臭を抜きます。
③水がきれいになるまで流水で血抜きをし、氷水に1時間ほどさら