「二風谷アットゥシ」とは?

「二風谷(にぶたに)アットゥシ」とは主に北海道沙流郡平取町で生産される伝統的工芸品で、アッニ(オヒョウ)等の樹皮の繊維で糸を作り、アットゥシカラペ(機織り機)を使って織られた反物のことを言います。「アッ」はニレ科のオヒョウを指し、「トゥシ」は織るという意味だそうです。アツシ、アトゥシ、アットゥシ織、アッシ織、厚司織とも表記されます。

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アットゥシは、オヒョウまたはシナノキの木の皮の内側にある靱皮(じんぴ)を材料に数ヶ月かけて糸を作り、腰機(こしばた)で織り上げるため、水に強く、通気性に優れ、天然繊維としては類稀な強靱さと独特の風合いを持っています。

アイヌでは儀式に着る正装として着られていましたが、軽くて丈夫で撥水性が高かったため、北前船の船頭たちにも愛用されていました。