解説
「奈良県」に関する問題です。
「帯解寺(おびとけでら)」は、奈良市今市町にある華厳宗の寺院で、本尊は地蔵菩薩であることから、地蔵院の別名があります。安産祈願の寺として知られています。
長らく世継ぎに恵まれなかった文徳天皇后の染殿皇后(藤原明子)が当寺にて祈願をしたところ、惟仁親王(後の清和天皇)が生まれたことから、858年(天安2年)、文徳天皇の勅願により伽藍が建立され、勅命により帯解寺と名乗るようになったそうです。以来、安産・子授け祈願の寺として朝野を問わず篤い信仰を集めるようになりました。
江戸時代には、江戸幕府第3代将軍・徳川家光に世継ぎがなく、側室の御楽の方が当寺にて祈願したところ、竹千代丸(4代将軍・徳川家綱)を安産したそうです。
20世紀以降も、美智子皇后、雅子皇太子妃をはじめ、三笠宮、高円宮、秋篠宮などの皇族が当寺において安産祈願を行っています。
平重衡の南郡焼き討ちや松永と三好の兵乱で堂宇や寺宝が焼失しましたが、古より多くの由緒をもって多くの参拝客を集めています。