【都道府県クイズ】第319回(問題&解説)2020年4月13日

 


解説


 「大阪府」に関する問題です。

「適塾(てきじゅく)」は、蘭学者・医者として知られる「緒方洪庵」が江戸時代後期に大坂・船場に開いた蘭学の私塾です。正式には適々斎塾(てきてきさいじゅく)といい、緒方洪庵の号である「適々斎」が名の由来であるといわれています。

適塾の開塾二十五年の間には、およそ3000人の入門生があったと伝えられています。適塾では、教える者と学ぶ者が互いに切磋琢磨し合うという制度で学問の研究がなされており、明治以降の学校制度とは異なるものでした。

 「緒方洪庵(1810-1863)」は、備中国足守(現岡山市)に生まれ、大阪にでて蘭学者・中天游の思々斎塾で学びました。1838年(天保9年)大阪・瓦町に蘭学である適塾を開き、福沢諭吉などの多くの優秀な門弟を輩出しました。

洪庵は、ドイツのフーフェラントの医書を「扶氏経験遺訓」として訳すなど西洋医術の導入に積極的であり、1858年(安政5年)のコレラ流行の際には、西洋の医学書を翻訳して「虎狼痢治準(ころりちじゅん)」を出版して防疫に尽力しました。