気になったニュース覚え書き(2021年3月8日)

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メルカリや東京大学、大阪大学などの研究者らは、新しい方式を試す短距離の通信網「量子インターネット」を5年間で整備する計画

極微の世界で成り立つ「量子力学」の法則を持ち込み、1000キロメートル以上離れた相手とのやり取りでも原理上は情報が漏れない。

現在のインターネットは情報を光信号に変えてやり取りしているが、量子インターネットは微弱な光の粒である「光子」を使用し、世界中に新たに張り巡らせる通信網に光子を流す。

量子力学の法則に従い、発信側の光子から受信側の光子へと、あたかも情報が瞬間移動したかのような「魔法」が起きる。

遠くへ情報を送るには中継地点で量子状態を保つしくみは、光子の量子状態を別の物質の状態に置き換えて一時保存する方法が主流。

メルカリや東大など14組織の30人からなる研究者組織「量子インターネットタスクフォース」は2月に公開したホワイトペーパー(事業計画書)で、量子ネットの試験環境を整備する方針を示した。

枝分かれした10~20キロメートルの通信網の整備を2021年度にも始める。

量子ネットを巡り、米国はシカゴやボストンで複数の試験用通信網を整備する計画を2020年に打ち出し、欧州連合(EU)もオランダにアムステルダムやデルフトなど4都市を結ぶ全長100キロメートルの試験環境を整備中、中国も研究に取り組んでいる模様。

量子力学を応用する通信は、既に「量子暗号通信」があり、暗号化した情報を読む「鍵」を量子力学のしくみで送る。

東芝が事業化の計画を明らかにし、中国が北京―上海間に2000キロメートルの通信網を設ける。

ただ、この通信の原理では完全な安全性を実現できるのは数百キロメートルが限界で、中継地点で情報が漏れる恐れがある。

量子ネットにも弱みは、量子状態を保つには、有線で情報を送らなければならないことで、無線通信網「Wi-Fi(ワイファイ)」が使えない。

「ディープテック」と呼ばれる深い研究に裏打ちされた技術を持つ化学系の企業が立ち上がり

・半導体スタートアップ、フロスフィア(京都市)

シリコン製より電力の損失が約8割少ない酸化ガリウムの半導体。京大の藤田静雄教授が開発した技術を基に、原料溶液を霧状にして基板上に吹き付け、化学反応で酸化ガリウムの結晶を作製。今秋に約20億円を投じた京都市のマザー工場が完成。家電などに搭載する半導体を約10種類、月200万個作る。将来は結晶化の工程のみ手掛け、残りは外部委託する計画。関連特許を500件超出願し、170件を権利化した、今後はEV向けを生産し、株主にはデンソーなど大企業が並ぶ。

・断熱材開発のティエムファクトリ(東京・港)

京大の中西和樹特定教授(名古屋大学教授)が研究してきた「エアロゲル」を基に、一般的な断熱材のグラスウールの3倍の断熱性能を持つ透明な素材「SUFA(スーファ)」を開発。累計14億円を調達、2020年に茨城県に研究開発拠点を設けた。

・エネコートテクノロジーズ(京都市)

開発中の超薄型の次世代太陽電池「ペロブスカイト(PSC)型」で需要を開拓。PSCは軽くて曲げることができ、低い照度でも効率よく発電するのが特徴。電卓に使うアモルファスシリコン太陽電池の2倍以上の電力を生む。厚みは1マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル以下と、太陽光パネルに使う「結晶シリコン型」の約150分の1。商業化には塗布技術などをさらに開発する必要があり、21年末にパイロットラインを設け、2020年に三菱マテリアルの出資を受けた。

・アトミス(京都市)

気体をコンパクトに収容する立方体のボンベ「CubiTan(キュビタン)」を開発。現行ボンベは約60キログラムに対しキュビタンは13キロで同じ量のガスが入る。水素を入れるタイプも開発。