「笠間焼」とは?

「笠間焼(かさまやき)」は、主に茨城県笠間市周辺を産地とする陶器の伝統工芸品で焼き上がりは強度が高く、丈夫で使いやすいのも特徴です。

f:id:manten3:20200627215618j:plain

1770年代(安永年間1772~1781年)に久野半右衛門道延という人物が近江の陶工で信楽の陶工・長右衛門を招き、陶器を作り始めたのが起源とされています。江戸に近いため、大量生産を行い規模を拡大、生産増加と陶技を後世に継承する目的で御用窯「仕法窯」が指定され、甕やすり鉢などの日用雑器が作られました。

明治時代には特に厨房用粗陶品の産地として知られていましたが、終戦後、プラスティック製品などの流入などにより、人々の生活様式も大きく変化し、笠間焼の需要は減り、窯元は今まで経験したことのない危機に陥りました。そのような中、県立窯業指導所や窯業団地、笠間焼協同組合などが設立され、官民一体となり試行錯誤の末、厨房用粗陶品から工芸陶器への転換を図りました。

平成4年に伝統的工芸品に指定され、近年では、古い歴史に育まれてきた伝統に新たな技法が加わり、「笠間火器」を開発し、土鍋や陶板など新たな商品を生み出しています。現在では、約300人の陶芸家や窯元がいる窯業産地となっています。