兵庫県の豊岡市で主に生産されている伝統的工芸品で、コリヤナギや籐などで編んだ行李やバスケット、インテリアなどの木工品などがあります。
豊岡杞柳細工の歴史は、古く、奈良時代に作られた「但馬国産柳箱」が東大寺の正倉院の御物として残されている事から1200年以上の歴史を有しているとされ、少なくとも8世紀頃には生産が始まったといわれています。
近くの円山川の川辺で杞柳細工の原料のコリヤナギ(和名:行李柳、朝鮮半島原産の落葉低木)が採れることから、杞柳細工作りが発展し、16世紀には豊岡藩の保護のもと、1763年には専売制を成立させ、「豊岡の柳行李」として世に知れ渡り、日本有数の柳行李の産地として発展し、生産を拡大して知名度も上昇しました。
豊岡杞柳細工は原料の性質によって虫がつきにくく、長く使うことが出来き、組み方にも様々な技法があり、それによって多種多様な製品が作られています。