【都道府県クイズ】第313回(問題&解説)2020年4月7日

 


解説


 「栃木県」に関する問題です。

「足利学校」は、現在の栃木県足利市にあった平安時代初期から鎌倉時代に創設されたと伝えられる中世の高等教育機関。

「足利学校」は、「日本最古の学校」「日本最古の総合大学」ともといわれていますが、創建の説がいくつもあり、正式には定まっていないようです。以下に創建の説を挙げておきます。

①奈良時代の国学の遺制であるという説。

②平安時代初期、天長9年(832)小野篁(おののたかむら)が創建したという説。

③鎌倉時代の初期に鑁阿寺を開いた足利義兼(足利尊氏六代の祖)が建てたという説。

④室町時代中期、永享11年(1439)に関東管領(かんとうかんれい)上杉憲実(うえすぎのりざね)によって開かれたという説

などがありますが、学校の歴史が明らかになるのは室町時代中期以後のことです。

上杉憲実が関東管領になると、学校を整備し、学校領とともに孔子の教え「儒学」の五つの経典のうち四経の貴重な書籍を寄進し、鎌倉から禅僧快元(かいげん)を招き初代庠主(しょうしゅ:校長)とし、学問の道を興し、学生の養成に力を注いだそうです。その後は、代々禅僧が庠主になりました。

室町時代には、儒学・易などについて学校に学んだ僧は永正年間(1504~1520)から天文年間(1532 ~1554)には学徒三千といわれ、事実上日本の最高学府となり、30年間にわたる在任中もおおいに発展しました。このことは天文18年(1549)フランシスコ・ザビエルによって「日本国中最も大にして最も有名なる坂東の大学・・」と海外まで伝えられました。