「御座石神社」とは?

「御座石神社(ござのいしじんじゃ)」とは、秋田県仙北市西木町にあり、田沢湖の北に位置する神社です。

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社伝によると、今からおよそ600年前の室町時代に創建とされたとされています。

田沢湖に古くから伝わる「辰子伝説」の辰子姫を祀っています。龍神になったという伝説の辰子姫を祀る事から、古くは「龍神社」と呼ばれていたそうです。

御祭神は事代主神・綿津見神・龍子姫神とされています。

1911年(明治44年)、生保内村の「蛭見神社」「浮木神社」を合祀し、「龍神社」と呼ばれていた社号を現在の「御座石神社」へ改称しました。

名前の由来は、1650年(慶安3年)に秋田藩第2代藩主佐竹義隆が田沢湖を遊覧した際に腰かけて休んだという「御座石」からきています。

朱塗りの鳥居の傍には、1本の木から7種類の木が生えたといわれる「七色木」や、辰子が飲んで龍となったといわれる「潟頭の霊泉」、辰子が姿を映したといわれる「鏡石」があります。


御祭神


〇 「龍子姫神(たつこひめのかみ)」田沢湖の主である龍神・辰子姫を神格化したもの

〇 「事代主神(ことしろぬしのかみ)」大国主の子で託宣を司る神。海の神、五穀豊穣商売繁盛の神。

〇 「綿津見神(わたつみのかみ)」海の神。

 


「辰子姫伝説」とは?


 田沢湖には古くから「辰子姫伝説」と呼ばれる伝説が残っています。

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昔々、神代村の神成沢に辰子と云う名の類まれな美しい娘が暮らしていました。

自分の美貌を自覚した辰子は、いつまでも若く美しくありたいと思うようになりました。永遠の美しさを得るために、院内岳の大蔵観音に百夜の願掛けを行いました。
百日目の夜、観音様が現れ「それ程までに永遠の美しさを願うなら、山の北に湧く霊泉の水を飲むと良い」との掲示を受け、辰子はそのお告げに従って、霊泉の水を飲み始めました。
しかし、一口水を飲むとさらに喉が渇き、飲めば飲むほど喉の渇きがひどくなり、
一心不乱に水を飲み続けるうちに龍へと化身していました。

自らの身に起こった報いを悟った辰子は、田沢湖に身を沈め、田沢湖の主となったと伝えられています。

また、龍となった辰子と対面し悲しむ母が、別れを告げる辰子を想って投げた松明が、水に入るとクニマスとなったという伝説もあります。(1940年(昭和15年)の発電所の建設と玉川河水統制計画が行われるまで田沢湖は、摩周湖に迫る31mの透明度があるくらいきれいな湖でクニマスなどの魚がいました。)