「じゅんさい鍋」は、秋田県の郷土料理で、じゅんさいをふんだんにつかった鍋料理です。
「じゅんさい」は、水深50〜80センチメートル程の沼や池に自生するスイレン科(ハゴロモモ科)の多年生水草で、茎は水底の沼の中の根茎から長く伸び、夏季にはハスの葉のように水面いっぱいに浮葉を広げます。
水面下の、寒天状のぬるぬるとした透明な粘質物の付いた幼葉や葉柄を摘んで食べます。生のものを味わえるのは、主に6月~8月上旬頃までと、僅かな期間のみだそうです。
品種として、葉裏が緑で収穫物の色上がりがよい青系品種と、葉裏が赤みを帯びた赤系品種の2種類があります。
かつては、日本全国に分布し、古くから食用にもされてきましたが、水質のかなり良い池沼にのみ自生する水草なので、環境の悪化により今では、秋田県三種町森岳地域のように限られた地域でしか生息していません。ちなみに秋田県は、じゅんさいの生産量日本一で、秋田県三種町が国内生産量の約90%を占め、「じゅんさいの町」