「田舎ずし」は、高知県の山間地帯に伝わる行事食で、野菜を使った寿司です。寿司のネタには県内でとれる山の幸がふんだんに使われ、みょうが、りゅうきゅう(ハスイモの茎)、こんにゃく、たけのこ、しいたけ、かぶ、四方竹などがあります。
田舎寿司は、昆布やのりが手に入りにくかった時代に、山でとれる食材ですしをつくったのがはじまりとされていて、冠婚葬祭や祭りの際の行事食や行楽弁当に登場し、子どもからお年寄りまで幅広い世代に親しまれています。
酢飯をにぎり状にするのは従来のすしと同様ですが、すし酢には柚子などの柑橘を使い、ほのかに酸味の効かせます。ネタは甘酢につけたりゅうきゅうやみょうが、甘めに煮たしいたけなどの山の幸をのせます。
魚を使った一般的なすしよりも安価で、日常的な食べ物として高知県民に愛されているそうです。