「赤餅」とは?

「赤餅」は、赤もろこしの粉でつくる、赤色をした餅のことで、主に茨城県の金砂郷地区で受け継がれる郷土菓子です。いまよりも天候などに左右され米が満足につくれなかった時代のもろこしが収穫できる秋によくつくられていて、お腹をふくらませるための主食代わりや農作業の合間のおやつとして重宝されていましたが、現在では、もろこし粉が希少なためあまり作られることはありません。

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鎌倉時代ごろに、阿弥陀寺中興開基安養上人が、「赤餅」の原料であるもろこしの種を生国である現在の群馬県より坂東市長須の地に持ち帰り伝えられたといわれています。

利根川が大雨による洪水でほとんどの作物が水害により不作になってしまうなか、身の丈が高いもろこしだけは水害を避けられたため、米が現在のようにあまりとれていなかった時代では、もろこしでつくった「赤餅」が食べられるようになったと考えられています。

赤餅の作り方は、もろこしの粉をお湯でよく混ぜ合わせたら、直径5cm、厚さ1cm程度のだんごをつくり、沸騰させたお湯の中に入れて茹でます。赤の発色が良くなっただんごが浮いてきたら、すくい上げ、あんこやきなこなどをまぶしていただきます。